書評/令和3年版 地方税Q&A(全国女性税理士連盟 編)
2021年11月01日 税のしるべ 無料公開コンテンツ
評者・川田剛(大原大学院大学客員教授・税理士)
最近話題のSDGsやESGなどにおいて必ず出てくるのが女性パワーの活用である。
その先駆けとも言えるのが本書の編集者である全国女性税理士連盟(女税連)である。
その歴史は古く、本書の発刊時点で64周年を迎えている。人間で言えば、還暦を過ぎたというタイミングであるが、その活動ぶりは目覚ましく、まさに成長期そのもののようである。
私事にわたって恐縮であるが、いまから20年ほど前、依頼を受けて勉強会の講師を務めさせていただいたことがあった。皆さん勉強熱心で質疑が続出し、予定時間を大幅に超過したという楽しい思い出がある。
本書「地方税Q&A」は、女税連の創設50周年を記念して発刊されたものであり、今回が4回目の改訂となる。
しかし、勉強好きな先生方のこと、単なる実務Q&Aにとどまらず、制度の趣旨等についても綿密な検証と考察がなされている。また、今後、重要性が増すと思われる分野について重点的な解説がなされている。さらには、実務面の利便性等を考慮し、計算例や記載例が追加されるなど、使い勝手の良さにも配慮がなされている。
本書の構成は、全10章となっている。そのうち、1の総論では全般にわたる解説がされて、2、3では個人住民税、個人事業税について、4、5では法人住民税、法人事業税について分かりやすく紹介されている。
次いで、6が「事業所税」について、「7 不動産に係る税金」では、固定資産税、都市計画税が、「8 償却資産税」、「9 不動産取得税」では、財産の保有、移転に伴う税について紹介がされている。「10 その他の地方税」では、地方消費税などといった税に加え、近年重要性を増してきている国民健康保険税についての紹介もされている。
さらに、「11 東日本大震災及び新型コロナウイルス感染症関係」では、関連資料等も交えつつ、地方税に係る特例について分かりやすい説明がされている。
このような広範な領域をカバーするため、執筆陣は62名に上っている。
本書は、地方税に関するすべての分野をカバーしていることから、税理士のみならず、税理士事務所の職員、企業の経理担当者、さらには、税理士試験の受験者や将来税務の職場で働きたいと考えている人たちにも一読をお勧めしたい良書である。
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