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過去の連載「給与支払者が知っておくべき定額減税の実務」編集部編

第5回/各人別控除事績簿の作成と減税額の計算

2024年04月29日 税のしるべ 無料公開コンテンツ

 控除対象者の確認が済んだら、各人別控除事績簿の作成に移ります。各人別控除事績簿は月次減税事務で基準日在職者の各人別の月次減税額や各月の控除額等を管理するために使います。PDF、エクセルの様式が国税庁のホームページに掲載されています。

 なお、各人別控除事績簿の作成と様式は法定されたものではないため、作成は義務ではなく、作成に当たっては適宜の様式で差し支えありません。

  次に月次減税額の計算です。控除対象者ごとの月次減税額は、納税者本人分3万円と同一生計配偶者と扶養親族の数1人につき、それぞれ3万円との合計額になります。同一生計配偶者と扶養親族の数は、連載第4回で示した方法で確認した人数となります。

 同一生計配偶者「有」、扶養親族2人の場合だと、同一生計配偶者と扶養親族の数は合計で3人となり、本人分の月次減税額3万円+同一生計配偶者と扶養親族の数の合計3人×3万円=12万円が月次減税額となります。

 国税庁HPに掲載されている各人別控除事績簿のエクセル版を使って、基準日在職者の氏名に加えて同一生計配偶者と扶養親族の数を入力すると、月次減税額が自動で表示されるほか、控除前税額を入力すると、控除した金額や控除しきれなかった残額が自動で表示されるようになっています。

 月次減税は6年分の給与等から控除しきれない金額がなくなるまで繰り返します(年末調整を行う際の給与等は除く)。

 月次減税額の計算で気をつけたいのは、扶養親族の数などに変更があった場合です。月次減税額は、最初の月次減税事務までに提出された扶養控除等申告書などにより確認した、その提出日時点の同一生計配偶者と扶養親族の数により決定するとされています。その後に扶養親族の数などに異動があった場合は、年末調整または確定申告で調整することになっており、月次減税額を再計算することはありません。例えば、7月に子が出生して6月の給与等支給時から扶養親族の人数が増えても、月次減税額は増額しません。

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