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過去の連載「給与支払者が知っておくべき定額減税の実務」編集部編

第12回(最終回)/調整給付の支給開始時期は自治体により異なる

2024年06月24日 税のしるべ 無料公開コンテンツ

 定額減税は収入が低く、もともと課される税額が少ない場合や住宅借入金等特別控除を適用した結果、課される税額が減税額に達しない場合など減税をしきれないケースで、減税を補足する給付が行われます。この給付は「調整給付」と呼ばれています。少なくとも令和6年分の所得税か6年度の個人住民税所得割のどちらかが課されている者が対象となり得る者です。住民税所得割が課されていない世帯等には、別の給付が措置されています。

 調整給付は、個人住民税を課税する自治体が給付主体となります。納税者本人と配偶者を含めた扶養親族(国外居住者を除く)の人数に基づき算定される定額減税可能額が、6年に入手可能な課税情報をもとに把握された納税者の6年分推計所得税額または6年度分個人住民税所得割額を上回る者に対し、その上回る額の合算額を基礎として1万円単位で切り上げて算定した額を支給します。6年分推計所得税額には5年分所得税額を用い、調整給付を担う自治体が5年分所得税額を把握できない場合は、国が示す「推計所得税額等算定ツール」等を用いて推計します。

 その上で、対象者にはまず、自治体から給付の「確認書」が届き、これに必要事項の記入等をして返信することで給付金が振り込まれます。 

 支給開始時期は自治体によって異なりますが、国は今夏以降が目途としています。ホームページで支給開始時期を示している自治体もありますので、気になる方はご自身の住む自治体のHP等で調べてみてください。

 調整給付は算定に6年分推計所得税額を活用するなど実額による算定ではないことを踏まえ、6年分所得税と定額減税の実績等の確定後、不足が生じる場合には、不足分の給付を行うことが検討されています。不足分の追加給付は6年分所得税額の確定申告後に行うことが想定されています。他方、6年分所得税や定額減税の実績等が判明した際に、給付を過大に行っていたことが判明する可能性もあります。こうした場合、国は自治体に返還を求める必要はないと説明しています。 (おわり)

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