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過去の連載「給与支払者が知っておくべき定額減税の実務」編集部編

第8回/個人住民税からの減税は減税額を計算する必要なし、特別徴収税額通知どおりに徴収

2024年05月27日 税のしるべ 無料公開コンテンツ

 定額減税は、個人住民税でも納税者本人および配偶者を含めた扶養親族1人につき令和6年度分の所得割額から1万円の控除を実施します。給与の支払者等(特別徴収義務者)が給与等から特別徴収を行う際などに減税が反映されることになりますが、給与の支払者等は自治体から届く特別徴収税額通知(書)に記載された税額を徴収すればよいので、所得税とは異なり独自に減税額等を計算する必要はありません。

 6年度の個人住民税の給与等からの特別徴収に際し、住民税均等割と森林環境税(=国税、6年度から住民税均等割とあわせて徴収を開始)も含めて6年6月分からは徴収をせず、減税後の年税額を6年7月分から7年5月分の11か月で均等に割って徴収します。減税の適用で所得割額がゼロになっていても、住民税均等割と森林環境税は7月分から徴収します。

 しかし、定額減税には所得制限が課されているため、納税者本人の前年(5年分)の合計所得金額が1805万円超の場合、個人住民税に係る減税の対象になりません。こうした所得制限によって減税の対象から外れる人のほか、低所得世帯向けの給付金の対象となっているため、減税の対象から外れている住民税均等割と森林環境税のみ課税される人などは通常どおり6月分から特別徴収を行います。

 ただ、これはあくまで個人住民税に関しての話です。所得税に係る6月以降の月次減税額の控除は、6年分の所得税に係る合計所得金額が1805万円超となり、定額減税の適用を受けられないと見込まれる人でも実施します。その後、年末調整または確定申告で差し引いた月次減税額を精算します。

 個人住民税の特別徴収税額通知(特別徴収義務者用、納税義務者用)は6年6月分の特別徴収を実施しない場合も含めて法律の規定通り5月31日までに行われます。

 なお、5年中にふるさと納税を行った者に意図せぬ不利益が生じないように、6年度分の個人住民税におけるふるさと納税の控除上限額(特例分)は定額減税前の所得割額の20%とする措置が講じられています。

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