A 6年度税制改正大綱では、一定の事項が記載された帳簿のみの保存により仕入税額控除が認められる自動販売機および自動サービス機による課税仕入れ、ならびに使用の際に証票が回収される課税仕入れ(3万円未満のものに限る)について、帳簿への住所または所在地の記載を不要とすることとされました(国税庁告示を改正する予定)。
いわゆる自販機特例等の対象となるものは、例えば、自動販売機による飲食料品の販売のほか、コインロッカーやコインランドリー等によるサービス、金融機関のATMによる手数料を対価とする入出金サービスや振込サービスのように機械装置のみにより代金の受領と資産の譲渡等が完結するものが該当します。
これらについて、現在は課税仕入れの相手方の「住所または所在地」の帳簿への記載が求められており、具体的には「〇〇市 自販機」「××銀行 □□支店ATM」 のように記載することとされています。これらから住所等の記載が不要となります。
結果、帳簿に記載する「課税仕入れの相手方の氏名又は名称」および「特例の対象となる旨」は、前記の自動販売機であれば、「自販機」との記載で差し支えないとしています。他方で、今回の見直し後も引き続き帳簿に住所等を記載していたとしても問題ありません。
改正は令和6年4月1日の適用開始を予定していますが、同大綱には、改正の趣旨を踏まえ、5年10月1日以後に行われる上記の課税仕入れに係る帳簿への住所等の記載は運用上、記載がなくとも改めて求めないものとすると記載されており、大綱にしたがえば、すでに記載をしなくても運用上、問題のない状態となっています。
※令和5年12月25日に一部加筆・修正をしました。
参考:令和6年度与党税制改正大綱、国税庁「令和6年度税制改正大綱について(インボイス関連)」国税庁「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A」の問47
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