国税庁は24日、財産評価基本通達24(私道の用に供されている宅地の評価、キーワード参照)における「歩道状空地」の用に供されている宅地の取扱いを変更したと発表した。①都市計画法所定の開発行為の許可を受けるために、地方公共団体の指導要綱等を踏まえた行政指導によって整備され、②道路に沿って、歩道としてインターロッキングなどの舗装が施されたものであり、③居住者等以外の第三者による自由な通行の用に供されている「歩道状空地」は同通達に基づき評価するとした。従来は同様の「歩道状空地」であっても同通達を適用せず、評価していた事例があったとしている。


 取扱いの変更は、同様の歩道状空地が私道供用宅地に当たるとして自用地の価額の100分の30の価額で評価できるか国と納税者との間で争われていた訴訟の今年2月28日付の最高裁判決を受けたもの(3月6日号1面参照)
 変更後の取扱いは、遡及適用され、過去の相続税または贈与税の申告の内容に異動が生じ、相続税等が納めすぎになる場合は法定申告期限等から5年(贈与税の場合は6年)以内であれば所轄の税務署に更正の請求をすることで納めすぎとなっている相続税等の還付を受けることができる。
 判決で最高裁は、争われていた歩道状空地について、「車道に沿って幅員2メートルの歩道としてインターロッキング舗装が施されたもので、いずれも相応の面積がある上に、本件各共同住宅の居住者等以外の第三者による自由な通行の用に供されていることがうかがわれる。また、本件各歩道状空地は、いずれも本件各共同住宅を建築する際、都市計画法所定の開発行為の許可を受けるために、市の指導要綱等を踏まえた行政指導によって私道の用に供されるに至ったものであり、本件各共同住宅が存在する限りにおいて、上告人らが道路以外の用途へ転用することが容易であるとは認め難い。そして、これらの事情に照らせば、本件各共同住宅の建築のための開発行為が被相続人による選択の結果であるとしても、このことから直ちに本件各歩道状空地について減額して評価をする必要がないということはできない」と判示していた。
 なお、最高裁判決のあった裁判自体は、審理を尽くすため高裁に差し戻されているが、国は同判決の趣旨を踏まえ、納税者の主張に沿って減額更正をする方針を示している。


 ≪キーワード≫ 財産評価基本通達24

 同通達を説明しているタックスアンサーによると、私道のうち、①公共の用に供するもの、例えば、通抜け道路のように不特定多数の者の通行の用に供されている場合はその私道の価額は評価しない(ゼロ評価)、②専ら特定の者の通行に供するもの、例えば、袋小路のような場合は路線価方式または倍率方式により計算した価額の30%相当額で評価するとしている。


 同取扱いの発表はこちら

平成29年7月31日号

平成29年7月31日号