外国の金融機関に自己の資産の運用を一任していた納税者が、課税庁から同運用の一環として行われた外貨により他の種類の外国通貨や外国通貨建ての有価証券を取得する各取引によって為替差損益に係る雑所得が生じているとして所得税等の各更正処分等を受けたため、処分の取消しを求めていた事案の最高裁判決が6月16日にあった。
納税者は、各取引が投資一任契約に基づき、多通貨で資産を保有するという分散投資の目的が継続する中で行われたものであるから、個々の各取引から所得が生ずることはないなどとしていた。
これに対し、最高裁第三小法廷(林道晴裁判長)は「居住者が、外国通貨により他の種類の外国通貨又は同一の外国通貨建ての有価証券を取得する取引を行った場合、上記取引を行った日の属する年分の所得の金額の計算上、上記取引時における他の種類の外国通貨の金額又は有価証券の価額の円換算額が『収入すべき金額』となると解するのが相当である」と指摘。
そして、「上記円換算額から支払に用いた外国通貨を得るのに要した金額等を控除した金額が、上記取引に係る所得の金額となるというべきである」とし、納税者の主張を退けた一、二審の判決を支持して納税者の上告を棄却。納税者敗訴の判決が確定した。
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