図表あり

 ≪事例≫

 簡易課税制度の適用を受けていた個人事業者が、基準期間における課税売上高が1000万円以下となったことから「消費税の納税義務者でなくなった旨の届出書」を提出した。この個人事業者が、翌年中に設備投資の計画があることから、消費税の還付を受けるべく、本年中に「課税事業者選択届出書」を提出した。


【簡易課税制度選択届出書の効力】

 簡易課税を適用している事業者が、基準期間の課税売上高が1000万円以下となったことにより免税事業者となり、その後、基準期間の課税売上高が1000万円を超えたため、再び課税事業者となった場合の仕入控除税額の計算は、「簡易課税制度選択不適用届出書」を提出していない限り、簡易課税によることになります。つまり、免税事業者となった時点での「簡易課税制度選択不適用届出書」の提出及び再び課税事業者となった時点での「簡易課税制度選択届出書」の提出は必要ないということです(消基通13―1―3)。


【納税義務者でなくなった旨の届出書の効力】

 基準期間における課税売上高が1000万円以下となった場合には「消費税の納税義務者でなくなった旨の届出書」の提出が義務付けられています(消法57①二)。ただし、「納税義務者でなくなった旨の届出書」を提出したからといって、「簡易課税制度選択届出書」の効力が失効するわけではありません。したがって、課税事業者を選択して消費税の還付を受けようとする場合には、本年中に「簡易課税制度選択不適用届出書」を提出し、仕入控除税額の計算方法を本則に変更しておく必要があるのです。
 「課税事業者届出書」や「消費税の納税義務者でなくなった旨の届出書」は、納税義務の管理及び申告書の郵送などの事務手続のために提出するものです。こういった理由から、届出期限についても特段の定めはなく「速やかに」提出することとされています。
 これらの基本届出書の提出は、過去に提出された「簡易課税制度選択届出書」その他の特例選択届出書の効力に何ら影響するものではありません。

平成29年7月31日号

平成29年7月31日号