世界に言語は6000あるといわれる。そのうち1億人以上の人が使う言語は10もないという。日本語はその一つである。
 一国一言語使用の国は少ない。中国のような面積広大、人口超多数の国だけでなく、スイスにしても複数の言語が国内で使用されている。言語を異にする複数の民族が一つの国を形成していることを意味している。
 日本語は漢字と仮名で文章が綴られる。仮名は音を表すが、漢字は字自体で意味を持つ。字を見れば意味が通じる。しかし、英語ではアルファベットは音を表すが、字自体では意味は表さない。日本語は特色ある言語と言えよう。
 言語はその民族の出自を元に様々な要因により形成されてきたものであろう。日本語も古代の縄文の時代に生まれ、弥生、倭の時代と使用され、今日の形へと発展してきたものである。その過程で日本列島内外の人の移動、交流による影響を受けて形成されていったのであろう。
 日本語は、古代長らくの間、言葉はあってもそれを表現する文字はなかったが、大陸と交流するうちに漢字で日本語の音を表すことが始まった。魏志倭人伝にある卑弥呼、邪馬台は「ひみこ」「やまと」という日本語の音を漢字で表したものであろう。その後、日本人は漢文に返点をつけるなど日本風に工夫して使いこなし、さらに、片仮名、平仮名を発明、今日の日本語を作り上げたのである。
 日本語は長い歴史を持つ優れた言葉である。我々は日本語を大切にする心を持つべきである。そうした心掛けは美しい所作にも通じる。今日、小学校で英語、パソコン教育をすべきという議論があるが、その前に国語をしっかりと学ぶことが肝要である。 (匡)

平成29年7月31日号

平成29年7月31日号