知っておきたい消費税(平成28年版)
宮澤克浩編
消費税法は、社会保険診療報酬を非課税としているので、社会保険に係る医療費について、患者は、消費税を支払うことはないし、病院も、消費税を徴収したり納付する必要はない。
このような消費税の非課税は、郵便切手類の譲渡等、埋葬等の役務提供、学校教育等の授業料等、身体障害者用物品の譲渡等、助産に係る資産の譲渡等など公共性、公益性等の見地から非課税とされるものは多い。
そして、これらの非課税制度は、国民に広く受容され、それに非を唱える者もなく、むしろ、その非課税制度の拡充を求める声の方が強い。
ところが、このような非課税制度に唯一非を唱えている者がいる。それが日本医師会等の医療団体である。もちろん、彼らが主張しているのは、社会保険診療報酬の非課税制度であり、その非課税制度において、医療機関の仕入れ消費税の転嫁が不十分で、損害を被っているというものである。
そのため、医療団体側は、消費税導入(平成元年)後、一貫して、その非課税制度の見直しを求めてきた。その結果、与党の「平成28年度税制改正大綱」において、その見直しについて「平成29年度税制改正において結論を得る」旨提言された。(続く)

