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連載「注目の一冊

租税と法の接点 租税実務におけるルール・オブ・ロー/佐藤修二著

2021年01月04日 税のしるべ 無料公開コンテンツ

 経済取引の複雑化・国際化とこれらに対する課税当局の対応の困難化を背景に、近年、課税当局は「法的観点」を重視するようになった。2000年代に入ってからの20年ほどの間に裁判の場で決着がつく租税の問題が増加し、租税の分野に裁判所の統制が及ぶようになったことも理由としてある。

 本書は、令和2年1月から週刊税のしるべに掲載された12回の連載「租税実務の『法化』~税務調査における法的視点」をベースに、租税実務全般に対象を広げて裁判実務と課税当局の実務を比較しながら「ルール・オブ・ローと租税法」について、租税法を専門とし、国税不服審判所の審判官としての経験も持つ弁護士がスケッチした。

 近年の裁判所の司法判断、特に納税者側が勝訴した事例をもとに、租税の問題を法的視点から見たらどうなるかを分かりやすく解説している。

 税に興味のある法律の専門家や法的な見方に興味のある税の専門家の双方の方々に、ぜひとも手に取ってもらいたい一冊。

 四六判、176ページ。定価1760円(税込み)。申し込みは、(一財)大蔵財務協会販売局(℡03―3829―4141、FAX03―3829―4001)。

国税庁2
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