被相続人(親)から複数の土地や貸家を相続した請求人(子ら)が相続税の申告をしたところ、原処分庁が土地および家屋の評価額ならびに葬式費用の金額に誤りがあるなどとして更正処分等を受けた。これに対し、請求人が処分の取消しを求めていた事案で、国税不服審判所は処分の一部を取り消す裁決を下した。


【事実関係】

 請求人は、被相続人の自宅の敷地と自宅入口脇に位置する駐車場(雑種地)、自宅敷地と地続きとなった農地(生産緑地)で構成される土地Cと、一時使用に係る賃貸借契約に基づき貸付けが行われる駐車場部分とそれ以外の月極駐車場部分で構成されている土地Dを相続で取得した。この土地C、Dを巡り、請求人と原処分庁の間で①各土地の評価単位、②広大地通達の適用方法についての争いが生じた。


【原処分庁の主張】

 財産評価基本通達7(土地の評価上の区分)および7―2(評価単位)は、土地の価額は現況の地目の別等に区分して評価する旨を定めており、土地Cについても、その定めにしたがって評価すべき。土地Cは宅地と生産緑地、雑種地の各地目により整理されていることからそれぞれ区分して評価する。その上で、適用要件を満たす宅地と生産緑地に限り、広大地通達を適用して評価する。
 また、評基通7―2(7)は、雑種地の評価単位について、同一の目的に供されている一団の雑種地ごとに評価する旨を定めている。これにより、土地Dは一時使用の駐車場と月極駐車場部分を区分して評価し、適用要件を満たす月極駐車場部分のみ広大地通達を適用して評価する。


【請求人の主張】

 土地Cは、周辺の土地と比べて著しく広大で開発行為を行う場合は市長から許可を得る必要がある。その許可は評基通に定める土地の区分や評価単位ごとに受けるのではなく、開発をする地続きの土地全体を一体として受ける。このため、全体を一団の土地として広大地通達を適用して評価し、その価額を評価単位により按分して評価額を計算するのが相当である。
 土地Dは、そのすべてが駐車場として利用されている土地であるから、区分して評価すべきでない。全体を一団の土地として広大地通達を適用して評価すべき。


【審判所の判断】

 評基通の定めの構造からすれば、土地の評価に当たっては土地および土地の上に存する権利の通則である同通達7および7―2によって土地の評価単位を画した上で、次にその画された評価単位のうちの各宅地が広大地通達に定める広大地に該当するか否かを検討すべきことは明らか。したがって、土地Cは評基通7および7―2の定めにより、各土地をそれぞれ一つの評価単位として評価すべきことになる。その上で、広大地通達は要件を満たす宅地と生産緑地に限り、適用して評価するのが相当である。
 また、土地Dの一時使用の駐車場と月極駐車場のそれぞれの土地の契約をみると、月極駐車場の契約は自動車を保管することを目的としているのに対し、一時使用の駐車場の契約は、土地の利用そのものが目的であり、各土地はその利用目的等を異にしている。このため、それぞれが利用の単位となっている一団の雑種地になっているというべきであり、それぞれ別個の評価単位として評価するのが相当である。


平成28年12月7日裁決

平成29年7月31日号

平成29年7月31日号