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【Q81】派遣社員や出向社員へ支払った出張旅費等の仕入税額控除

2024年01月11日 税のしるべ電子版 無料公開コンテンツ

Q81、当社は自社で雇用している従業員と同様に、派遣社員や出向社員が出張した際にも、旅費規程に基づき出張旅費を支払っています。当該出張旅費については、派遣元企業や出向元企業を通じて当該社員に支払われることになりますが、仕入税額控除の要件として派遣元企業や出向元企業から請求書等の交付を受け、これを保存する必要はありますか?

  従業員等に支給する出張旅費、宿泊費、日当等のうち、その旅行に通常必要であると認められる部分の金額については、課税仕入れに係る支払対価の額に該当するものとして取り扱われ、この金額については、一定の事項を記載した帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められます(Q31参照)。

 この点、派遣社員や出向社員(派遣社員等)に対して支払われる出張旅費等については、それぞれ次のとおり取り扱うこととなります。

 1 派遣元企業等に支払うもの

 当該出張旅費等が直接的に派遣社員等へ支払われるものではなく、派遣元企業や出向元企業(派遣元企業等)に支払われる場合、派遣先企業や出向先企業(派遣先企業等)では、人材派遣等の役務の提供に係る対価として、仕入税額控除に当たり派遣元企業等から受領したインボイスの保存が必要になります。

 2 派遣元企業等を通じて派遣社員等に支払うもの

 派遣元企業等が当該出張旅費等を預かり、そのまま派遣社員等に支払われることが派遣契約や出向契約等において明らかにされている場合には、派遣先企業等で一定の事項を記載した帳簿のみの保存で仕入税額控除を行うこととして差し支えありません。この場合、当該出張旅費等に相当する金額について、派遣元企業等では立替払を行ったものとして課税仕入れには該当せず、仕入税額控除を行うことはできません。

 なお、これらの出張旅費等には、概算払いによるもののほか、実費精算されるものも含まれます。また、海外出張のために支給する出張旅費等は、原則として課税仕入れには該当しません。

参考:多く寄せられるご質問(令和5年12月15日更新版)の問⑮

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