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連載「注目の一冊

役員退職給与を巡る諸問題(増補改訂版)/衛藤政憲著

2021年02月15日 税のしるべ 無料公開コンテンツ

 役員退職給与に係る課税実務は、法令にその判断及び算定に関する基準が明確に規定されていないため、課税庁との間の争いが絶えない状況が続いている。

 役員退職給与支給額の相当性を判断する功績倍率を巡っては、東京地裁で平成29年にいわゆる「1・5倍判決」が出され大きなインパクトがあったものの高裁では否定され、最近の裁判事例において認定される功績倍率は「1・18」、「1・06」など低い値となっている。

 本書では、役員退職給与課税制度について、多くの審査請求事案・裁判事案を交えながら、素朴な疑問からやや細かな点に至るまで、Q&A形式で解説する。

 今版では、分掌変更時支給役員退職給与に関して、今日につながる戦前の有力な見解を加筆。「同業種事業規模類似法人の選定抽出基準や相当額の算定方法の選択基準」などを法令上に明確化し、根拠のある取扱いとすることにつながる設問を多数収録。前回版(平成28年11月刊)以降の改正と以後に示された判決・裁決を踏まえて従来の事例を見直すとともに、設問を大幅に追加した。

 A5判、600ページ。定価3300円(税込み)。申し込みは、(一財)大蔵財務協会販売局(℡03―3829―4141、FAX03―3829―4001)。

国税庁2
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