ハイド・アンド・シーク3 ~未来のあなたへ~
伏見 俊行
令和5年(2023年) 48件の記事
令和5年12月25日号(7面)
王老師は更に民の役割の大切さに言及する。 「そして、一番大切なことは、国と国との信頼、友情を、国民レベルで広げることで…
令和5年12月18日号(7面)
和田も王老師の怒りとも思える発言に呼応し、言葉を返した。 「かつて中国との交流の仕事を広げていくとき、尊敬する先輩から…
令和5年12月11日号(7面)
4…
令和5年12月4日号(11面)
3中国子会社の反日運動、群集心理の怖さ 2005年4月2日、四川省の成都で日系スーパーが暴徒と化した群衆に破壊される。…
令和5年11月27日号(7面)
2…
令和5年11月20日号(7面)
第7章反日運動の嵐と日中税務当局交流~その裏側で~ 121世紀初頭の親密な日中韓の関係 週末には、和田は北京市内のショ…
令和5年11月13日号(7面)
「合従を我々が企てるとすると、課税当局はどうするか。租税回避があるという結果を把握した課税当局は、自国での課税の強行を…
令和5年11月6日号(7面)
4…
令和5年10月30日号(7面)
3…
令和5年10月23日号(7面)
調査官は、今回は岬産業そのものの税務調査を目的としていなかったため、あえて深追いの質問はしなかった。 「分かりました。…
令和5年10月16日号(11面)
数か月後、北京市の会社Bや広州の子会社Cの実態確認を終え、国家税務総局の国債税務司は、北京市と広州市の子会社の取引の適…
令和5年10月2日号(7面)
国際税務司の担当者の頭の回転は速い。和田の言葉から、一つの仮説を導きだした。 「なるほど。和田さん、ありがとう。香港に…
令和5年9月25日号(7面)
中国当局の1か月間の動きを聞き、和田は二つの思いを持った。それは、中国の税務調査水準の向上と課税に対する本気度であった…
令和5年9月18日号(7面)
第6章浮かび上がる移転価格課税回避スキーム 1移転価格課税の始まり~中国当局の疑念~ 2004年の秋も深まった頃、中国…
令和5年9月11日号(7面)
「さて、どうしましょうか。おそらく、このままですと、我々も生き埋めの刑でしょう」 和田は思い出していた。 「焚書坑儒で…
令和5年9月4日号(11面)
2秦の統治と諸子百家の教え 牢に繋がれた二人は、何ら尋問を受けることもなく一晩を過ごす。和田が狼狽し、沈痛な声で王老師…
令和5年8月28日号(7面)
今回は、高官らしき役人が馬上から指揮を執っている。馬4頭が広場の中央に連れられ、罪人と思われる男の周りを囲んだ。そして…
令和5年8月21日号(7面)
第5章法治と徳治、中国戦国時代へのタイムスリップ 1秦の法治と焚書坑儒 ある日の午後、和田に電話が入る。王老師からの電…
令和5年8月7日号(7面)
三浦の言葉に青ざめた表情を見せる吉田に、三浦がやさしい口調で話す。 「ただし、今当局が持っている情報は、推測の情報です…
令和5年7月31日号(7面)
北京市国家税務局の税務調査を受けて現地子会社の担当者は狼狽し、吉田に助けを求める。吉田は、日本での税務調査の情報も即刻…
令和5年7月24日号(7面)
「みんなの気持ちはわかる。しかし、租税というものは、憲法で保障された国民の財産権を侵すもの。課税する要件は法定化された…
令和5年7月17日号(11面)
盛り上がった調査官たちは、日頃の不満をぶちまける。 まず、税務大学校での研修を終えたばかりの若手調査官が口火を切る。 …
令和5年7月10日号(7面)
2国税局のいらだち~租税回避と税の公平とは~ 国税局の資料調査課は、Aが世界各地を移動してどこの国の居住者にも認定され…
令和5年7月3日号(7面)
「Aについての主な疑問点は、居住者判定の問題です。当局が確認したところ、どこの国の居住者にもなっていない。いわゆるパー…
令和5年6月26日号(7面)
第4章中国を舞台にした租税回避スキーム 1…
令和5年6月19日号(7面)
「和田先生、機会があれば、国家税務総局の職員の方とご一緒したいですね。いかがでしょうか」 親しい友人になりつつあった吉…
令和5年6月12日号(7面)
3週間後、11月中旬に、明の十三陵を訪れる。その晩、吉田の案内で、和田と月亮は市内のホテル内にある中華レストランを訪れ…
令和5年6月5日号(7面)
胡同地区の移動には伝統的な人力車が便利である。和田らも、2台の人力車を使い散策する。一台の人力車には和田と月亮が、もう…
令和5年5月29日号(7面)
翌週は、頤和園、翌々週は天壇公園を訪れる。 頤和園は、12世紀、元が都を大都、現在の北京に置いたときに造られた巨大な離…
令和5年5月22日号(7面)
お互いに相手を悪い人ではなさそうだと感じながら、二人は差し障りのない会話を続け、再会を約して、大学の正門で別れた。別れ…
令和5年5月15日号(7面)
2謎の研修生 大学のキャンパスを出れば、庶民の街が広がっている。食堂もあれば、種々の小売店もある。特に助かるのは、食材…
令和5年5月1日号(7面)
第3章中国での出会い 1中国での生活、食文化 和田は、大学での来客用宿舎、専家賓館で一人暮らしを始めていた。 専家賓館…
令和5年4月24日号(7面)
多少の中国史を理解していた和田だが、孔子に聞いた。 「なぜここに。魯国を逃れ、斉へ」 笑みを浮かべて、孔子は丁寧に経緯…
令和5年4月17日号(7面)
5タイムスリップ・孔子との会話 日本語の堪能な財政学院講師の馬女史、そして、古代中国史に詳しい王老師。二人の存在は、和…
令和5年4月10日号(7面)
4王老師との出会い 和田の所属先は、中央財経大学の財税学院である。財税学院は、日本的に言えば、財政税務学部とも言おうか…
令和5年4月3日号(7面)
日本への情報交換の可否が聞きたかったのかと、和田は合点した。 「租税条約に基づく情報交換ですか。もちろん可能です。中国…
令和5年3月27日号(7面)
2中国国家税務総局での質問 北京に到着したその晩は、建国門外にあるホテルに宿泊する。 翌日、関女史の案内で、早速、国家…
令和5年3月20日号(7面)
第2章中国への旅立ち1北京への旅立ち「之を導くに政をもってし、之を整(ととの)うるに刑をもってせば民免れて恥ずることな…
令和5年3月13日号(7面)
月亮の話を聞きながら、三浦は移転価格取引のことを思い出していた。 (取引価格などどうにでも変わるもの。無理やり適正価格…
令和5年3月6日号(7面)
4北京・秀水市場にて 2004年8月中旬、月亮は三浦の助言に従い北京に移り、中央財経大学で仕事を始めていた。三浦は早速…
令和5年2月27日号(7面)
(外国人が知っている中国とは、中国の政府、表面の姿。それは中国人そのものではない。中国の人々のことを、世界も日本の人々…
令和5年2月20日号(7面)
3大連での再会 1週間後、三浦は、大連に向かう。大連で月亮と再会するための旅であった。三浦は彼女に、不思議な縁であるこ…
令和5年2月13日号(7面)
三浦の様子を、新岩も、吉田も、東山も見ている。新岩が三浦に声をかける。 「三浦さん、いかがですか。やりませんか」 吉田…
令和5年2月6日号(11面)
出鼻を挫かれ、新岩が相談話を躊躇していると、三浦が全く別件の話を始めた。 「吉田さん、9月から北京の中央財経大学で3か…
令和5年1月30日号(7面)
2重慶での密談 話は2004年に飛ぶ。その年の7月31日、中国内陸部の大都市、重慶市の四川料理レストランに四人の日本人…
令和5年1月23日号(7面)
「基本的には、現行の法制度で許容できる方法、許容できるであろうと考える方法を説明しましたが、それでも、税務当局から見れ…
令和5年1月16日号(7面)
「日本では、居住者を、滞在日数のほか、経済活動の中心、家族の状況、資産の状況などを総合的に見て判断します。一方で、海外…
令和5年1月9日号(11面)
第1章新たな租税回避の始まり 1香港での密談~パーマネントトラベラー~ 2001年の秋も深まった頃、香港の一流ホテルの…