Q53、免税事業者です。課税事業者である発注事業者からインボイス制度の実施後も課税事業者に転換せず、免税事業者を選択する場合には消費税相当額を取引価格から引き下げると一方的に通告がありました。こうした通告は問題とはならないのでしょうか?
A 当然ながら、独占禁止法上または下請法上、問題となるおそれがあります。
インボイス制度の実施後、インボイスを発行することができない免税事業者からの課税仕入れは原則として仕入税額控除ができなくなります。ただ、実施後3年間は免税事業者からの課税仕入れでも仕入税額相当額の80%(その後3年間は50%)の控除が可能となる経過措置が設けられています。
このような経過措置が設けられているにもかかわらず、取引先の免税事業者に、「インボイス制度の実施後も課税事業者に転換せず、免税事業者を選択する場合には、消費税相当額を取引価格から引き下げる」などと一方的に通告することについて、公正取引委員会は独禁法違反等となるおそれがあるとしています。
公取委は今年5月17日、こうした事例に該当した5業態・約10の発注事業者に対し、独禁法違反行為の未然防止の観点から注意を行ったと発表しました。
インボイス制度の実施後の発注事業者と取引先の免税事業者との価格交渉に当たっては、免税事業者も自らの仕入れに係る消費税を負担していることや経過措置が設けられていることを踏まえ、一方的ではなく双方が納得できる価格とすることが求められます。
参考:公正取引委員会「インボイス制度の実施に関連した注意事例について」
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