電子版限定「毎日更新、インボイス制度Q&A」編集部編

【Q29】帳簿の保存のみで仕入税額控除が認められる場合

2023年05月16日 税のしるべ電子版 無料公開コンテンツ

第4 仕入税額控除の要件等

Q29、一部の取引は一定の事項を記載した帳簿の保存のみで仕入税額控除が認められると聞きました。本当ですか?

  インボイス制度の下では、一定の事項を記載した帳簿およびインボイス発行事業者が交付する適格請求書や適格簡易請求書などの保存が仕入税額控除の要件となります。

 しかし、請求書等の交付を受けることが困難であるなどの理由により、

 ①適格請求書の交付義務が免除される本Q&AのQ18のAに掲載した3万円未満の公共交通機関(船舶、バスまたは鉄道)による旅客の運送

 ②適格簡易請求書の記載事項(取引年月日を除きます)が記載されている入場券等が使用の際に回収される取引(①に該当するものを除きます)

 ③古物営業を営む者のインボイス発行事業者でない者からの古物(古物営業を営む者の棚卸資産に該当する場合に限ります)の購入

 ④質屋を営む者のインボイス発行事業者でない者からの質物(質屋を営む者の棚卸資産に該当する場合に限ります)の取得

 ⑤宅地建物取引業を営む者のインボイス発行事業者でない者からの建物(宅地建物取引業を営む者の棚卸資産に該当する場合に限ります)の購入

 ⑥インボイス発行事業者でない者からの再生資源および再生部品(購入者の棚卸資産に該当する場合に限ります)の購入

 ⑦適格請求書の交付義務が免除される本Q&AのQ18のAに掲載した3万円未満の自動販売機および自動サービス機からの商品の購入等

 ⑧適格請求書の交付義務が免除される本Q&AのQ18のAに掲載した郵便切手類のみを対価とする郵便・貨物サービス(郵便ポストに差し出されたものに限ります)

 ⑨従業員等に支給する通常必要と認められる出張旅費等(出張旅費、宿泊費、日当および通勤手当)

 の取引については、一定の事項を記載した帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められます。

 また、令和5年度税制改正により、2年前(基準期間)の課税売上が1億円以下または1年前の上半期(個人は1~6月、特定期間)の課税売上が5000万円以下等の者は、令和5年10月から令和11年9月末までの間、税込み1万円未満の課税仕入れについてインボイスの保存がなくても帳簿のみの保存で仕入税額控除ができるようになっています。

 なお、現行においては、「3万円未満の課税仕入れ」および「請求書等の交付を受けなかったことにつきやむを得ない理由があるとき」は一定の事項を記載した帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められる旨が規定されていますが、インボイス制度の開始後は、これらの規定は廃止されます。

 参考:国税庁「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A」の問1、財務省「インボイス制度の負担軽減措置のよくある質問とその回答」の問8、9、10、財務省「令和5年度改正におけるインボイス制度の改正について」、国税庁「適格請求書等保存方式の概要―インボイス制度の理解のために―」

税のしるべの試読・購読のお申し込みはこちら
国税庁4

関連記事

ページの先頭へ