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【Q28】インボイスの記載に不備がある場合の税務調査での対応は?

2023年05月15日 税のしるべ電子版 無料公開コンテンツ

Q28、インボイスの記載に不備がある場合、税務調査ではどのような対応がとられますか?

  令和5年2月10日の衆院財務金融委員会で議員からの質問に対して、国税庁次長が「インボイス制度について、制度の定着を図るため、調査の過程でインボイスの記載不備を把握したとしても、インボイスだけでなく他の書類等を確認するなど柔軟に対応していくということで考えている」と答えています。

 また、3月15日の同委員会で同じく国税庁次長が、インボイス制度の開始後は「買手の行った課税仕入れについて、適正なインボイスの保存がない場合、その不足する内容を他の書類等から確認できない限り、原則として仕入税額控除の適用を受けることはできないこととなる。したがって、税務調査においてもこのような確認が必要となる」と述べています。

 こうした考えの下で税務調査が行われるようです。

 なお、実際の税務調査におけるインボイスの確認については、2月10日の同委員会で、鈴木俊一財務相が「国税当局が行う税務調査については、大口で悪質な不正計算が想定されるなど、調査必要度の高い納税者を対象としている。これまでも請求書等の保存書類についてなどの軽微な記載事項の不足を確認するための税務調査は実施していないと承知している。インボイス制度の導入後もこうした方針に特に変更はないと聞いている」と話しています。

 ※以下、令和5年8月28日追記

 国税庁は令和5年8月25日に開催された第3回適格請求書等保存方式の円滑な導入等に係る関係府省庁会議で、インボイス制度後の税務調査の運用について説明しました。

 この中で、①これまでも、保存書類の軽微な記載不備を目的とした調査は実施していない(従来から、大口・悪質な不正計算が想定されるなど、調査必要度の高い納税者を対象に重点的に実施)こと、②仮に調査等の過程でインボイスの記載事項の不足等の軽微なミスを把握しても、インボイスに必要な記載事項を他の書類等(相互に関連が明確な複数の書類を合わせて一のインボイスとすることが可能)で確認することや修正インボイスを交付することにより事業者間でその不足等を改める、といった対応を行うこと、③まずは制度の定着を図ることが重要であり、柔軟に対応していくことを、それぞれ明らかにしています。

 参考:第3回適格請求書等保存方式の円滑な導入等に係る関係府省庁会議資料

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