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過去の連載「令和3年度税制改正大綱を読む」編集部

第4回/法人課税④、中小企業経営強化税制は認定手続を柔軟化

2021年01月25日 税のしるべ 無料公開コンテンツ

▼中小企業経営強化税制の認定手続の柔軟化

 中小企業者等が指定期間内に中小企業等経営強化法の認定を受けた経営力向上計画に基づいて一定の設備を新規取得等して指定事業の用に供した場合、即時償却または取得価額の10%(資本金3000万円超1億円以下の法人は7%)の税額控除を選択適用できる「中小企業経営強化税制」は適用期限を2年延長するとともに、税制の利便性を向上させるため、適用の前提となる計画認定手続を柔軟化する。

 計画認定手続の柔軟化は、工業会の証明書の取得と同時並行で計画認定の審査を行うことにより手続を迅速化する。現在は、工業会の証明書を取得してからでないと計画認定の申請を行うことができない。

 また、法人課税③で説明した中小企業の経営資源の集約化に資する税制に関連し、M&Aの効果を高める設備として、修正RОAまたは有形固定資産回転率が一定以上上昇する設備であることを要件とする経営資源集約化設備(D類型)を追加する。取組例としては、自社とM&Aにより取得した技術を組み合わせた新製品を製造する設備投資や原材料の仕入れ・製品販売に係る共通システムの導入などが想定されている。

▼中小企業投資促進税制の見直し

 中小企業における生産性向上等を図るため、一定の設備投資を行った場合、30%の特別償却または7%の税額控除(税額控除は資本金3000万円以下の中小企業者等に限る)のいずれかを選択適用できる「中小企業投資促進税制」で対象者に商店街振興組合を加え、対象となる業種として、不動産業、物品賃貸業と料亭、バー、キャバレー、ナイトクラブその他これらに類する事業のうち生活衛生同業組合の組合員が行うものを追加した上で、適用期限を2年延長する。他方で「商業・サービス業・農林水産業活性化税制」は対象業種を本税制に統合したことで廃止される。

▼中小企業防災・減災投資促進税制の拡充

 中小企業が自然災害に備えた事前対策を強化するための設備投資の後押しを目的に創設された「中小企業防災・減災投資促進税制」は対象設備を追加した上で、適用期限を2年延長する。対象となる器具・備品(30万円以上)に感染症対策のために取得等をするサーモグラフィを、同じく対象となる建物附属設備(60万円以上)に無停電電源装置(UPS)をそれぞれ加える。

 改正後は令和5年3月末までの2年間に自然災害等に対する防災・減災対策をとりまとめた「事業継続力強化計画」等の認定を受けた中小企業者等が対象設備の取得等をして事業の用に供した場合、20%の特別償却を受けることができるようになるが、投資を前倒す観点から5年4月1日以降に取得等をする資産は18%しか特別償却ができない形とする。

▼中小企業技術基盤強化税制の拡充

 法人課税②の研究開発税制の項目で説明した内容と重複するが、従来の控除上限の上乗せ措置を延長するとともに、新型コロナの影響で売上げが2年1月より前に終了する事業年度から2%減少しながらも研究開発を拡大する場合は、さらに5%の控除上限を上乗せする。控除率の上乗せについては、増減試験研究費割合が8%超の場合から9・4%超の場合に見直すとともに傾きを大きくすることで、積極的な研究開発を促進する。

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