国税庁はこのほど、令和元事務年度における所得税等の調査状況をまとめた。それによると、所得税の調査等の合計件数は、前事務年度比29.4%減の43万923件と新型コロナウイルスの影響により大きく減少し、現在の統計方法となった平成21年度以降で過去最少の件数だった。
申告漏れ等の非違があったものは、同29.7%減の26万2877件、申告漏れ所得金額は同12.8%減の7885億円、追徴税額は同5.3%減の1132億円といずれも減少した。しかし、大口・悪質事案に対して積極的な調査を行ったことにより、1件当たりで見ると、申告漏れ所得金額は同23.6%増の183万円、追徴税額は同30%増の26万円と増加し、21年度以降で過去最高額だった。
なお、1件当たりの平均実地調査日数は7.4日となっている。
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