社長さん、「36(サブロク)協定」を届出ていますか。ある調査によるとこの協定の認知度は56・5%だそうです。実はこれ、とても危険なのです。
 ご存じのように労基法36条では、労働者の労働時間は上限規制が設けられ、日8時間、週40時間(一部の特例事業は週44時間)と定められています。ただし、使用者と労働者代表との間で36協定を締結し、労基署に届出た場合に限り、この上限規制を超えて時間外・休日労働をさせることができます(就業規則等にその旨の規定と、その分の割増賃金の別途支払いも必要です)。この協定には今年3月までは厚労大臣が定めた時間外労働を許容する「限度基準」や、「特別条項」という例外規定があり、実質青天井で時間外労働をさせることができました(「時間外労働」と「残業」は似ていて異なります。例えば日7時間勤務の会社で2時間残業しても、時間外労働は8時間を超える部分の1時間だけです)。
 ところが今年4月(中小企業は来年4月)以降、この限度基準が法律に格上げされ、協定を締結するときには原則、(1)月45時間、(2)年360時間以内としなければならなくなりました。また、例外で認められていた特別条項部分も法律に規定され、臨時的な事情があっても次のような制限を守る必要があります。(3)単月100時間未満(休日労働を含む)、(4)2~6カ月平均で月80時間以下(休日労働を含む)、(5)臨時的な事情でも年720時間以下(休日労働を含まない)、(6)月45時間を超えるのは年6カ月までとなります。ポイントは、(3)と(4)には休日労働を含むこと、(4)の意味、(5)の臨時的な事情は厳格で(1)と(2)を超える場合の手続を定めて1カ月ごとに実行、そしてこれらの規制を逸脱すると法律違反となり罰則(6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金)が適用されるということです。休日労働の「休日」とは、会社が独自に定めた所定休日のことではなく、週1回の法定休日を意味します。また、(4)については、例えば時間外等で4月99時間、5月61時間、6月90時間となった場合、各単月では(3)をクリアしていますが、5~6月の2カ月平均で80・0時間、4~6月の3カ月平均で83・4時間となり、2カ月平均ではクリアしていますが、3カ月平均では法違反でアウトとなります。特に繁忙期には休日労働を忘れやすくなり注意が必要です。時間外労働は、臨時的でも毎月75時間程度を上限に管理された方が良いでしょう。
 なお、36協定は時間外労働等が予想される場合には「事前」届出が必須です。

平成31年4月8日号

平成31年4月8日号