平成31年度税制改正では、相続した空き家に係る譲渡所得の3000万円特別控除の特例について、被相続人が老人ホーム等に入所していた場合も対象に加えられた。老人ホーム等に入所後の家屋に関して、相続の開始直前まで被相続人による一定の使用などが要件となっており、国土交通省が1日に公表した資料で、その要件を満たす具体的な提出書類が明らかになった。それよると、相続開始日までの電気等の使用や、対象家屋への外出記録などが必要となる。


 同特例では、対象となる相続した家屋について、相続の開始直前に被相続人の居住の用に供されていたことが要件となっていたが、31年度改正では、一定の要件を満たせば老人ホーム等に入所していた場合も適用対象となった。
 要件は大きく分けて2つ。(1)被相続人に関する要件で、要介護認定や要支援認定などを受け、かつ、相続の開始直前まで老人ホーム等に入所をしていたこと、(2)被相続人が老人ホーム等に入所をした時から相続の開始直前までの家屋に関する要件で、被相続人による一定の使用がなされ、かつ、事業の用、貸付けの用または当該被相続人以外の者の居住の用に供されていたことがないことなど。
 国交省の資料では、一定の使用の要件を満たす提出書類として、①電気、水道またはガスの契約名義(支払人)および使用中止日が確認できる書類、②老人ホーム等が保有する外出、外泊等の記録、③その他、要件を満たすことを容易に認めることができる書類のいずれかとしている。
 ①の具体的な書類は、支払い証明書、料金請求書、領収書、お客様情報の開示請求に対する回答書、通帳の写しまたはクレジットカードの利用明細(最終の料金引き落とし日が分かるもの)など。使用中止日は相続開始日以後の必要がある。②では、対象家屋への外出等の回数や時期についての記載はないが、国交省によると回数や時期については問われない見込み。③は、対象家屋を宛先住所とする被相続人宛の郵便物等となっている。
 電気やガスの使用中止日が確認できる書類や老人ホーム等が保有する書類は、相続後や家屋・敷地の譲渡後に入手するのは難しい可能性もあり、同特例を検討する場合は、早めの準備が必要となる。
 なお、今回の改正は、31年4月1日以後に行う被相続人居住用家屋または被相続人居住用家屋の敷地等の譲渡について適用される。


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平成31年4月8日号

平成31年4月8日号