名古屋国税局はこのほど、平成29事務年度の相続税調査事績をまとめた。
 同局は、申告額が過少と想定される事案や、申告義務があるにもかかわらず無申告と想定される事案等について調査を実施。実地調査件数は、前年度比0・5%増の1895件で、このうち申告漏れ等の非違があった件数は同2・6%増の1636件で、非違割合は1・7ポイント増の86・3%だった。申告漏れ課税価格は同%42・2%増の646億円で、追徴税額は前年度より約2倍の180億円と大幅に増加。重加算税の賦課件数も、同43%増の336件、重加算税賦課割合は同5・8ポイント増の20・5%といずれも増加している。
 また、無申告事案に係る実地調査件数は、同27・2%増の220件、このうち申告漏れ等の非違件数は、同36・4%増の191件、非違割合は同5・9ポイント増の86・8%と大きく増加。申告漏れ課税価格は同26・2%増の164億円、追徴税額は同70・3%増の14億300万円だった。
 同局では、27年度1月の相続税基礎控除額の引下げにより、申告件数が大幅に増加したことを踏まえ、無申告が想定される納税者に対し書面照会を行い自発的な期限後申告書の提出を促す取組みや、調査すべき問題点が限られている事案について電話や来署依頼による調査などの「簡易な接触」を行っている。
 こうした簡易な接触の件数は同3・1%増の1363件、このうち申告漏れなどの非違件数は同0・8%減の361件、申告漏れ等の非違および回答等の件数は、同5・7%減の831件で、非違および回答等の割合は同5・6ポイント減の61%だった。
 主な調査事例は次の通り。
【無申告事案】 
 相続人Aは、被相続人Bと共謀して、相続開始前に被相続人名義の預金口座から多額の出金をし、相続人名義の預金口座へ資金を移動させることで、相続財産が基礎控除額以下であるように装い、相続税の申告を行っていなかった。
【海外資産関連事案】
 相続人Cは、海外にある資産を申告する義務があるにもかかわらず、海外不動産および海外預金を相続税の申告財産に含めずに申告を行っていた。
【現金の申告除外】 
 相続開始前、相続人Dは、被相続人名義の預金口座から100回以上にわたってATMで現金を出金し、現金を自宅内の寝室等に隠匿し、相続税の申告から除外していた。

平成31年4月8日号

平成31年4月8日号