中学生の私が友人との会話の中で時折耳にする「税金がなくなってほしい」との声。国を支える重要な役割を担う税金に、なぜ批判的な意見が多いのか。私はその理由として、主に私達若い世代の間で、税に対しての悪いイメージが根付いてしまっているからではないかと考えた。

 今回私は日本の税制にとらわれず、試しに他国に目を向けてみることで各国の特徴が浮き彫りになった。私は将来海外で職に就くという目標をきっかけに、日本以外の国の税制に興味を持った。手始めに各国の消費税率を調べていると、世界的に見れば日本の消費税率は比較的低いことがわかった。消費税率八%の日本に対し、フランスは二十%、オランダは二十一%と日本との差は一目瞭然。しかし情報を読み進めていくうち、注目すべき日本との違いは数字だけではなく、国民の意識にあるのではないかと気が付いた。

 中でも目に留まったのは、北欧に位置するデンマークだ。デンマークの税金は世界的に見ても一、二を争うほど高いと言われている。二〇十八年時点で消費税は二十五%、所得税は驚異の五十五%。日本の倍以上税金を支払っていることになるが、デンマークは七年連続で「世界幸福度ランキング」トップ3入りを果たした功績がある。人々がデンマークでの暮らしを幸せだと感じる理由はどこにあるのか。

 デンマークの大きな特徴の一つに、社会保障が充実していることが挙げられる。医療費、教育費は無料、十八歳以上の学生は国から生活費が貰えるなど、国民の負担が大きい分様々な福祉サービスが存在する。またデンマークの地方議員はボランティア活動で、政治家の給料は低い。高収入を狙ってその職務につくわけではないという安心感が生じ政治家に対する信頼が厚くなる。これらのメリットが国民の意識を前向きに突き動かしているのだろう。

 しかし私は、日本がデンマークと同じ方法をとる必要はないと考える。重要なのは手段ではなく、税金がいかに、国と国民の双方にとってプラスになる必要不可欠な制度であると理解できるかだ。日本にはまだその機会が少な過ぎる。支払った分がきちんと自分達にも与え返される。目には見えないが日本にも確かに存在する持ちつ持たれつの関係性を改めて自覚させることが必要だ。その為に税金について知る機会を発信することが、私にもできる身近な第一歩だと考えた。

 税金は絶対的な存在であり安心感を持って納められる。これから私はそんなプラス意識を持って生きていきたい。そして未来の日本を担う若い世代の奮励努力により、税金という公正な制度に心から信頼を寄せられる社会になることを期待する。もちろん私も、胸を張って国に貢献できる国民の一員でありたいと強く思う。

平成30年12月3日号

平成30年12月3日号