昨年、接骨院の待合室でピンクの用紙が使えなくなることを知った。病院に行く時は、必ず私が持たされたこの福祉医療費請求書で、会計が無料となることは知っていた。それが当たり前のように思えていたからか、高校生から使えなくなることに、正直驚いた。

 そんな私に母が入院中の話をしてくれた。母は妊娠にリスクがあり、特に弟の時は長期の入院となった。ベッドに横たわる母の姿と淋しかった記憶が一気に溢れ出した。

「つらかったよね?」
と聞くと、予想しなかった「税金」の話しをし出した。長期間の入院、治療費にも福祉医療費請求書が適用となったこと。それは多くの方の納税によって支えられていたこと。

 しかし、母もいつの間にか妊産婦検診等、無料を当たり前に感じるようになっていたそうだ。母が入院中、担当の看護師さんから、母の体に流れる点滴は、ほんの数ヶ月前まで保険適用でなかったことを聞かされた。その頃これを使用されていた方の、ひと月にかかる入院費を聞いて驚いたという。入院のストレスに加え、金銭的な不安もあったようだ。

 母は、多くの方の税金や社会制度に支えられていることに気付かず、当時は毎月の給与から引かれる所得税や住民税は給与が「減る」という感覚にしか思えなかったことも、少し恥ずかしそうに話してくれた。

 母はこの用紙を見るたびに、私達の成長を思い出すそうだ。福祉医療制度は私達にいつも寄り添ってくれたことを。そしていつも、湿布、解熱剤等の残薬を確認して病院に向かう母の行動が分かった気がした。私もこのピンクの用紙一枚の重みを知った。

 帰りの道、見慣れた景色は公共施設やサービスで溢れていると感じた。豊かで安心して暮らせる社会。私達や障害者を守る町造りの資金は税金だと認識せずにはいられなかった。

 一学期、発展途上国を調べる機会があった。水道や道路のインフラ整備が遅れ、子供は労働力となり、満足に教育すら受けられない。そのことが貧困から抜け出せない原因にもなっている。JICAを通して資金援助していることも知った。税金は国を農かにし発展させていくのに欠かせないものだと改めて認識し、勤労、教育、納税、日本国民の三大義務が頭から離れなくなった。

 五月に私の住む魚津市で全国植樹祭が開催された。良質で豊富な水が命を育み、生活や産業を支え、暮らしと共存している魚津市を誇らしく感じた。そして自然豊かな環境も先人の皆さんの納税で成り立っていることに、感謝の気持ちで一杯になった。私はどこに住んでも地域を愛し、社会を守る為に使われる税金を気持ちよく納税出来る人になりたい。

 県税の「水と緑の森づくり税」が五年延長になっている。私が納税するまで続いてほしい。私を今まで助けてくれた恩返しと、未来の私達のためにも、心からそう思う。

平成29年12月4日号

平成29年12月4日号