「ワランチャドゥ島ぬ宝」私の住む沖永良部島や奄美群島では、子は宝として大切に育てられている。沖永良部島は、出生率が徳之島に続き四位だそうだ。このように、離島は子どもを出産し、育てやすいというイメージがある。私の友だちにも五人から七人の兄弟がいて、いつも賑やかで楽しそうだ。

 しかし、中学生になり、進路のことや将来の夢のことを友達と話す度に、離島ならではの課題も大きいことを感じる。それは、兄弟が多いが故に、一家庭の収入に対して、一人当たりの教育費が大きくなりすぎてしまうということである。

 私は、教員をしている伯母と一緒に沖永良部島に転校してきた。実家は鹿児島市にあるため、帰省に飛行機や船を利用することが多い。しかし、大人料金になった私たちの運賃は、冷や汗が出るほどに高額である。そのため、帰省するのにも勇気がいる。それは、私だけではないことが、部活を始めて分かった。島外での大会の参加費が、鹿児島市では考えられないほどの金額になってしまうため、参加できない人も少なくないのだ。そんな中、島民の想いを救う画期的な対策が打ち出された。それが、平成二十六年度から始まった、「奄美群島振興交付金事業」の中の「離島航路補助事業」である。町民は、離島割引カードを交付してもらうことで、以前よりかなり負担が軽減された。このおかげで、離島間や本土との行き来が、ぐっとしやすくなった。しかし、この事業も平成三十年で打ち切られると聞いた。その後はどうなるのだろう。

 今年受験生になってみて、進学も本土とは条件が違うことを知った。本土では、ほとんどの高校生が、自宅から通学している。しかし、離島の場合、夢を叶えるために高校から島を離れなくてはならない人も少なくない。その場合、学費や寮費など、かなりの金額がかかると聞く。そのため子どもが多い離島では夢をあきらめなければいけなくなることもあるということだ。そういう話を聞く度に、同じ受験生として胸が締め付けられるような思いがする。

 どうすれば、子どもたちが夢を持ち、それを実現するために本土と変わらない教育を受けることができるようになるのだろう。


 私も私の友だちも沖永良部島が大好きだ。高校や大学は島を離れなくてはならないとしても、いつか立派な社会人として島に帰ってきて、島の発展のために働きたいと話している。そして大好きなこの島で家庭を持ち、今度は自分が親として子どもを産み、育てたいと願っている。

 そのためには、まずは自分が社会人となり、しっかりと税金を納め、納税者として、島の子どもたちのため、そして島の発展のために、税金の使い道について、地域の声を発信していきたいと思っている。

平成28年12月19日号

平成28年12月19日号