ニホニウム。原子番号一一三番。九州大学の森田浩介先生を中心とした理化学研究所のチームが発見した新しい元素である。間もなく世界中の教科書の周期表にこの元素名が載ることになるそうだ。私はこのニュースを聞いてすぐに理科の教科書を開いてみた。確かに周期表の一一三番は空いている。そしてそこに「日本」を連想させるニホニウム元素が載るのである。なんてすばらしいのだろう。ニホニウム発見は日本中の人々の誇りとなるに違いないと思った。しかし、なぜ名称が発見者やチーム名ではなくニホニウムになったのだろうか。素朴な疑問を感じこの新元素に関する記事を調べてみた。森田先生は、研究が国民の税金で支えられていることへの感謝の意を示したかったと述べられているのだ。研究が税金で支えられているという事実に私は新鮮な驚きを感じた。研究には様々な分野があり、多くの研究課題が存在しているのだろうと思う。その中で特に国に認められ税金が投入された研究には、研究に対する責任と使命が加わるのではないだろうか。そしてその研究は、研究者にとって誇りと励みとなり、質の高い研究結果を生み出すことに繋がるだろうと思う。また、税金を納めている国民には、研究の恩恵を受けることで、より良い生活と福祉がもたらされるだろうと思う。研究にはお金がかかるものもあるだろう。特に今回の新元素開発のためには、全長約七〇メートルの巨大な加速器が必要であり、理化学研究所の施設が無かったら新元素は誕生しなかった。税金が無かったらニホニウムは生まれなかったと言えると思う。何よりも税金は、様々な仕事に携わる納税者から集めた貴いお金だから、税金が支える研究というのは、たとえ納税者が研究者ではなくても間接的にその研究を応援していることになる。私は不思議な温かさをそこに感じた。科学の発展を納税者みんなで支えるという現行の税金制度の理念は、本当にすばらしいと思った。

 私はこの夏休みに肺炎を患った。肺炎と診断できたのはレントゲンの発見したX線のおかげであり、すぐに回復できたのは薬学の研究者が開発してくれた抗生剤のおかげであり、肺炎の原因がマイコプラズマという微生物だと判明したのは生物学の研究のおかげである。私の病気の回復という小さな出来事にも科学の発展、研究の貴さが含まれている。このような医学上の発見や研究は、日本人に限らず世界中の研究者の努力も内在しており、科学の発展は国境を越えて平和と福祉をもたらしてくれる。だから科学の発展を支える税金は、グローバルに役立っていると言えるだろう。

 私は、ニホニウム発見に勇気をもらった。税金で賄われ無償で支給された教科書を大切に使って勉強を続け、将来周りの人々を幸せにするような職業に就きたいと思う。そして、これまで受けてきた科学発展と税金の恩恵に恩返しできるような納税者になりたいと思う。

平成28年12月19日号

平成28年12月19日号