昨年の夏、祖母が強い腹痛を訴え、緊急入院をした。2日後行われた大きな手術や検査の結果、原因不明で治療も確立していない膠原病だとわかった。祖母は、入院の度に、

「ごめんね。またお金がかかる。私が病気ばっかりするけさ。」

と、祖父に話している。病気でつらい思いをしているのに、治療や入院費のことまで考えないといけないなんて...と思った。しかし、祖母は

「それでも特定疾患はね、国や福岡県が一部を負担してくれるから助かるんよ。」

と、教えてくれた。

 特定疾患治療研究事業とは、難病患者の医療費の助成制度のことである。現在は、祖母の病気を含め、56疾患がこの制度の対象となっている。都道府県に申請をし、認定された患者は、治療の一部を税金の中から公費負担として助成されるのだ。

 今、祖母が新たな病状とも前向きに戦いながら、明るく過ごせているのも、特定疾患治療研究事業、すなわち、たくさんの人が納めた税金によって支えられているからだと思う。

 また、私は今年、中学校3年生になった。それとともに、具体的に将来について考えるようになった。そんなとき、親は2人で口をそろえて、

「税金を納められる人になりなさい。それで十分やけ。」

それで十分。本当にそうなのだろうか。はじめはそう思っていた。

 今年4月、消費税が上がり、税というものが身近に感じられるようになった。消費税が上がったということは、私たちが豊かで安心した暮らしができるように行われてきた公共サービス等に必要な費用が足りていないということだろう。実際、今、日本では少子高齢化が急速に進み、社会保障の費用が増えている。その一方、費用を負担する働き手が減っているようだ。老後の安定した生活や健康で文化的な社会を実現するためにはたくさんの費用が必要である。私の祖母や私たち学生のように税金で支えられている人はたくさんいるのだ。

 納税という義務を果たすということは、すなわち、社会の一員となるという重要なことではないだろうか。国のためだけではなく、身近な周りの人ひとりひとりを支えるためと考え、納税の義務を怠ることのない、社会に貢献できる大人になりたいと思う。そう考えた上で、これからの自分の将来を見据えて、いろいろなことを学んでいきたい。

平成26年12月15日号

平成26年12月15日号