「お父さんは増税反対じゃないんだ。」

お父さんの言葉に衝撃を覚えたのは、とあるファミリーレストランでの出来事である。

「だって、消費税が上がると物価が上がってしまって欲しい物が高くなっちゃうじゃん。」

「結局、増税とは自分達のためでもあるんだ。」

そう言われるとそのような気もしてくるが、そもそも税を高くすること自体、納得がいかない。自分達のためと言われても、いまいちピンとこなかった。ただ、増税に賛成する人が身近にいたことが驚きだった。

「なんで増税は自分達のためになるの?」

「社会保障って知ってるかい。」

シャカイホショウ。中学受験の時、覚えたが、もはや忘れかけていた言葉だった。お父さんが言うには、現在のお年寄りの方がたの社会保障費は税金でまかなわれているという。高齢化により、お年寄りの数は増えてきているので、社会保障にかかる費用も増えてきている。このままでは国のお金がなくなる。そう考えた政府は消費税を八パーセントに増やして、増えた三パーセントの分を社会保障費に使おうということなのだ。

「でも、お年寄りの方がたに対する社会保障がどうして自分達のためにもなるの?」

「実用的な面で言うと、現在の社会保障を、増税することで続けられるなら、今後自分達にも社会保障で国が保護してくれるから安心だよね。」

ははん。なるほど。確かに社会保障が自分達の老後にもあったら、将来安心して暮らしていける。そのために増税をするのなら、僕も賛成だ。

「他にも、増税には今のお年寄りへの感謝の気持ちもあるんだよ。」

「感謝の気持ち?!」

「そうだよ。今、社会保障を受けている高齢者の方がたは、戦後ボロボロだった日本を引っぱってたて直してくれた人達だ。もし、あの人達がいなかったら、今の日本はないよ。そんな恩人への感謝の気持ちを増税という形で表せるんだったらこっちもうれしいよね。」

そうだったのか。増税で増えた三パーセントは、今の日本を作ってくれた人達への感謝の気持ちなのか。とても感動した。普段買い物をする時に何も考えず払っている消費税八パーセントでも感謝の気持ちの集まりだったのだ。ならば、買い物をする時も、「今の日本を作ってくれてありがとう。」という意識をもって消費税を払えば、八パーセント以上の効果になるというわけか。

 あるファミリーレストランで習った増税の真の思いを僕は一生忘れない。来年も消費税が十パーセントに上がりそうだと聞いたが、お年寄りの方がたが少しでも楽になるのならば、予定通り進めてほしい。

 これからは、百円ショップで払う八円にも思いを込めて八援として払いたい。

平成26年12月15日号

平成26年12月15日号