なぜ、消費税は増税されたのだろうか。

 これは容易に答えられる疑問ではないと思う。今年の四月、消費税が増税されるまでは連日騒がれていたのだが、今やテレビでも新聞でも増税の話題はあまり見かけなくなった。増税からしばらく時間が経ち、増税に対しての国民の関心が薄れてしまったのだろうか。来年行われるであろうさらなる増税も、それほど気にならなくなってしまったのだろうか。

 だとしたらそれは、とても悲しいことのように思う。私自身、税についての知識は乏しいが、私なりに税を自分にとって身近にする努力をしている。私は、私たちがこのような豊かで安心できる暮らしができるのは、税金のおかげということを知っている。私たちがこうして学校で学べること、病院で治療を受けられることは、いたって普通のように思えるが、税があってこそ成り立つのだ。私たちは税金に助けられて生きているといっても、過言ではない。

 だからこそ、皆に考えてほしいのだ。「なぜ今、消費税を増税したのか」ということを。

 「人民の、人民による、人民のための政治」これは、アメリカの十六代大統領・リンカーンの演説の中で有名な言葉だ。さらに、奴隷解放宣言の手紙でリンカーンはこう言っている。「南北戦争における最大の目的は連邦を救うことであり、奴隷制度を救うことでもほろぼすことでもない。奴隷を自由にしないでも連邦を救えるならそうする。奴隷を自由にすれば連邦を救えるならそうする。私が奴隷解放をしようとするのは、連邦を救うのに役立つと信じているからである。」と。後者は一部を要約したものだが、これらの言葉を聞いたことがない人はおそらくいないだろう。私は、このリンカーン大統領に近い考えで増税を受け止めている。今回の消費税増税における最大の目的は、日本を救うことであり、政府が増税を決行したのは、日本を救うのに役立つと信じているからだ。言いすぎだと思う人もいるかもしれないが、私はそれを信じたい。この増税が私たちを、日本をより豊かにしてくれると。今、私は税を納める立場というより、使わせてもらう立場だ。その立場にあるということを忘れずに、税金に、税金を納めている方々に感謝して暮らしたいと私は思う。そして私も、ほんの少しだが消費税で税金を納める、小さな小さな納税者だ。この国を救う一員であると思うと、なんだか幸せな気持ちになる。皆が、国民全体がこんな気持ちで税を納めることができたら、日本はきっと幸せな国になれる。皆さんは見てみたくはないだろうか、幸せな国、日本を。そのために納税してはどうだろうか。

 日本は今、「人民の、人民による、人民のための増税」を行っているのだ。だから私たちも、税に関心を持ち続け、日本の行く末を見ていかなければならない。次世代社会を担う者として、日本を救うために。

平成26年12月15日号

平成26年12月15日号