七月。ギラギラと太陽が照りつける暑い夏がやって来た。ちょうど二年前のあの日も、こんな暑い日だった。
 今まで病気ひとつしなかった祖父が、突然脳梗塞で入院することになった。その前日から会話が上手にできない様子があり、祖母も不安に思っていた矢先のことだった。
 大学病院で手術を受け、一命を取り留めた祖父だが、右半身と言語に少し麻痺が残ってしまった。祖父は若いころから大工の仕事をしていて、職人気質の真面目な人で、早く病気を治して仕事に復帰したいという気持ちが強かった。それからの祖父は、身体と言語の両方のリハビリを一生懸命頑張り、六ヶ月の入院生活を経て、無事退院した。
 祖母から聞いた話だが、祖父は集中治療室に入院し、完全看護で最高の治療をしてもらったそうだ。そして現在、祖父は介護サービスを受けている。週二回のデイサービスと週一回の訪問リハビリを祖父は心待ちにし、表情も生き生きとしている。そんな祖父を近くで支える祖母も、本当にうれしそうだ。
 しかし、年金で生活している祖父母にとって、入院、手術、リハビリと、経済的にも大きな負担になるのではないかと心配になり、祖母に尋ねてみた。そこで初めて、祖父の治療にはたくさんの税金が活用されていたことを知った。
 税金は、国民が健康で豊かな生活を送るために、国や地方公共団体が行う活動の財源となる大切なお金だ。その税金で、祖父は高度な治療を受け、そして現在も身体の回復に努めることができている。今、私は、小さい負担で祖父母を支えてくれる色々な社会制度を心からありがたく思う。
 今、改めて私たちの暮らしを振り返ってみると、当たり前すぎて見過ごしがちな様々な所で税金が使われていることがわかる。朝、きれいに舗装された道を通り学校へ行き、授業を受ける。教科書は無償で支給され、また放課後は設備の整った体育館で部活動に打ち込める。私が住んでいる町では小学六年生まで医療費も無料だ。でも、それらがすべて税金で賄われていることを、特に意識することもなく、また感謝することもなく、当たり前のように過ごしてきた。
 しかし、税について家族と話をする中で、私が毎日笑顔でこのような生活を送ることができるのも、税金のおかげだということを学んだ。そして、私たちの生活をサポートしてくれる社会の仕組みを心強く思った。
 これからますます高齢化が進み、祖父がお世話になったように、老人医療、福祉、介護など、税金の役割が大きくなるだろう。社会のために貢献してきたすべてのお年寄りが、整った環境の中で生きがいを持って安心して生活できるように、税金の在り方について、もっと関心を持ちたい。そして将来、税金に感謝しながら納税できる大人になりたい。

平成24年12月17日号

平成24年12月17日号