「自分の支払っている税金の税率って知ってる?」僕は、両親に聞いてみた。父は「だいたい。」と答え、母は「消費税の5%しか知らない。」だった。
 母は自分の毎月の給与から、各種の税金が天引きされていることを気にも留めていなかった。母の給与支給明細書には、所得税、住民税が引かれ、他には年金や介護保険料などの社会保険料も引かれていた。母に言わせると、納税するのが当たり前すぎて、考えたこともなかったらしい。
 こういう人は、案外多いのではないか。自分が一体、毎月いくら位納税し、何%の税率でそれが決められているのか、知らないというか無関心な人が、多いのではないか。そのくせ、ニュースや新聞などで消費税率が上がることについては、敏感になる。
 母は、毎月支払っている税金以外にも、年に一回納税する固定資産税や、自動車重量税も何故その金額になったのか疑問にならないようだ。別に家は大金持ちではないので、それで気にならないのではない。むしろ、資産のある人の方が税金は多額だ。ただ、母は税金の納付請求書が届くと「ああ。」とため息をつき、「また、この季節がやってきたのね。」と肩を落とすのだ。しかし、請求された納付額通りをもちろん支払う。八百屋や魚屋の買い物の時の様に値切らない。なぜなら、義務だから。
 母は昔、父に税金が高いと愚痴を言った時、父に言われたそうだ。「文明も無い原始人だった頃から人々は助け合って生きていた。ケガをして働けない人には火の見守り役など動かなくても出来る仕事を任せ、他の人は狩りに出かけ、誰のことも見捨てることなく役割を果たして、助け合って生きていたらしい。税金も同じ様に、納められる人が納めて、それを困っている人や障害のある人達、自分達の為に使う為にあるんだよ。その使い道を決める議員を選んだのは、私達国民だよ。」
 僕はその話を聞いて、税金の意味が少しわかった気がした。多分、文句ばかり言う人は税金に無関心な人だ。僕達はもっと税金に対して興味を持ち、注目しなければならない。以前、ニュースのアンケートで税金に対する不満の一つに、税金の使われ方があげられていた。やはり、納めたからにはその使い道を知りたい。正しい情報公開や可視化は納税者にとっての権利だ。
 長い歴史の中で人間は、平和や平等、科学、文化、そして民主主義をつくってきた。税金もそうだ。とても理にかなったシステムだと思う。納められる人が納めて、平等に使うべきところに使う。とても平和で文化的なシステムだ。
 僕も、いつか、そのシステムを担う人間になりたい。

平成24年12月17日号

平成24年12月17日号