「増税反対」「国民を殺す気か」
 各地でデモをする人の声が鳴り響いている。
 今年八月、消費税増税法案が国会で成立した。「社会保障と税の一体化改革」の一環として、社会保障の充実・安定化と財政の健全化を達成するために増税がなされる。最終的に消費税率は現在の五パーセントから十パーセントに引き上げられる予定だ。
 それに伴って、国内では増税反対のデモが行われている。一説によれば、日本国民の約八割が増税に反対しているとも言われている。確かに私達日本国民にとって、消費税率は低ければ低いほど良いと考えるのが一般的だと思われる。
 しかし、数多くの世界の幸福度ランキングにおいて上位を占めている北欧諸国のほとんどは消費税率が二十パーセント以上である。それに対し、日本はどのランキングにおいても三十位以内に入るものは見当たらない。
 なぜ現在の日本の四倍以上の消費税率であるにもかかわらず、北欧諸国は日本よりずっと幸福度が高いのだろう。
 これらの幸福度ランキングで常に首位を争っているデンマークの消費税率は二十五パーセントである。デンマークではその集まった税金で「ゆりかごから墓場まで」の手厚い社会保障が実現できている。国民の医療費の無償やあらゆる公共施設のバリアフリーへの対応、設備の充実など、小さな子を持つ親や障害者、高齢者を含む全ての国民への支援が行き届いている。また、教育費も大学まで無料で、十八歳以上の学生には生活費を支給するなど、国の未来を担う学生への手当も充実している。だから、税金は「取られるもの」という概念は無く、見える形で還元される、むしろ「喜んで支払えるもの」であり、税金に対する不満がないそうだ。
 また、デンマークの国民は政治への関心が高いため、税金の使われ方に関する情報の公開性も高い。すると、政府は国民の納得しない税金の使い方はできないし、国民は自分が払った税金が有効に使われているという確証が得られるというところでも、国民の支持を得ているのだろう。
 日本の話題に戻るが、もちろんデンマークのような税金の仕組みがそのまま日本にも適している訳ではないと思う。しかし、このような国から学ぶべき事はとても多い。これから増税されるにあたり、豊かな未来のためには、国民は消費税率の高低のみにとらわれず、どのように使われるかということに関心を向けたうえでしっかり税金を納め、まず国民と政府の信頼関係を築くことが大切だと思う。
 今回の増税の目的の一つは、社会保障の充実・安定化と政府は公言している。だから私は国を信じ、より豊かな未来に期待して、正しく税金を納めていきたい。

平成24年12月17日号

平成24年12月17日号