中学校生活にも終盤の兆しが見え始め、受験を控える年を迎えた。私は今、週四回、学習塾に通っている。「今日塾でしょ、早く御飯食べなさい。」という母の声を聞き、箸を手にとり、何気なくテレビに目を向けた。最近では、毎日のように国会で話題となっている「消費税増税問題」が映し出された。自分は、税についての知識が疎かったため、そのニュースの重要性をうまく掴むことができていなかった。税とは、国民にとってそんなに大切なものなのだろうか。無知に等しかったため、誰が、いつ、どのように、誰に払っているのかが疑問になった。
 私は、その疑問を少しでも解消したいと思い、母に税の用途について尋ねてみた。そして、主に医療や年金、福祉、介護などの公的サービスに使われる社会保障関係費や、地方自治体に交付される地方交付税交付金などに用いられているのだと分かった。
 また、税金の使い道にはこのようなものもあった。警察や消防の助成。私はこの言葉を母の口から聞いた時、心に沁みる何かを感じたのを今でも鮮明に覚えている。
 それはまだ、私が小学校一年生の時だ。登校中に、兄が十字路を曲がってきた乗用車と接触する交通事故が起こった。その日は、早朝から濃い霧がかかっていたため、視界がとても悪かったのが原因だった。眼前で起こる急な出来事に私は唖然とした。その時、幼なかった私につき添い一緒に登校していた母が叫んだ。「救急車呼んで!早く!」それを聞いた地域の方が、すぐさま消防署に連絡し、兄は数分後に救急車で病院へと運ばれていった。
 私はこの出来事を思い出し、ふと思った。もしも救急車というものが存在しなければ、この時兄は一体どうなっていたのだろうかと。命を落とすまではいかなくても、重体に陥ることは間違いなかったはずだ。加えてこう感じた。兄は税により助けられたのだと。現在、兄は元気に学校に通っている。こうして家族そろって今を送れることは、紛れもなく税のお陰である。よくこのような言葉を耳にする。「一人は皆のために、皆は一人のために」これは正しく税を表した言葉だと思う。税とは国民全員が一体となり、国や地方に納めているもので、消費税などを通して自分も払っていたのだと母に教わった。一人一人が日本全体のために税を払い、その日本全体の協力によって兄は救われたのだ。こうして、人と人との繋がりや思いは、絆として紡がれていくのだと母の話を通して感じることができた。
 私はこれらのことを知り、税に感謝すると共に税がとても好きになった。そして、自分が払った税金によって誰かが幸せになっているかもしれないと思うと、とても嬉しくなった。この素晴らしい相互扶助の関係や税についての認識をもっと広めていきたい。私はこれからも税を払い続ける。自分のため、家族のため、そして国民全員の幸せを願って。

平成24年12月17日号

平成24年12月17日号